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世界中の学校がスマホを禁止し始めた。それで、効果はあるのか

研究が示しているのは、禁止には効果があるが、賛成派も反対派も語るより効く範囲がずっと狭い、ということです。 厳しく運用された禁止は、学校の手触りを確実に変えます。授業は静かになり、食堂はうるさくなり、休み時間に生徒がまた互いに話し始めます。学力面の効果は本物ですが小さく、しかもほぼ全部が最も苦戦していた子の上に落ちます。そしてどんな禁止も、最後のチャイムから後の4時間には触れません。十代のスクリーンタイムの大半は、そこに住んでいます。学校の決定は支持していい。ただし、あなたの仕事まで肩代わりしてくれると期待しないことです。

暖色の電球の下に本棚が並ぶ学校図書室の廊下

どの国が学校でスマホを禁止しているのか

いまはもう、禁止していない国を数えたほうが早い状態です。フランスは2018年に中学校で禁止し、その後さらに踏み込んで、端末を校門で預ける運用に進みました。イタリアは教室からスマートフォンを外し、その後ルールを高校まで広げました。ブラジルは全国のすべての学校を対象にした法律を成立させました。オランダは中等教育から、次いで初等教育へと国の指針を出し、中国は2021年から校内での使用を制限し、イングランドは校長向けの指針を配りました。アメリカでは半数以上の州が何らかの規制を持ち、ニューヨーク州やフロリダ州は登校から下校まで端末を手元に置かせません。

日本はこの流れの中で少し特殊な位置にいます。2009年の原則持ち込み禁止から、2020年に中学校について条件付きで持ち込みを認める方向へ通知が見直されました。災害時の連絡手段という事情が大きい判断です。ただし「持ち込んでよい」は「使ってよい」ではなく、実際の運用は登校時に預けて下校時に返す形が主流で、結果として世界の禁止と行き着く場所はほとんど同じです。学校の外でも、住民全体に一日2時間程度という目安を条例で示した自治体が現れて議論を呼びました。

見出しの下にある政策は、実質的には二種類しかありません。そしてこの二つは同じ介入ではありません。

「禁止は効果があるのか」という議論のほとんどは、実はこの二つのどちらを指しているかという議論です。

禁止で学力は本当に上がるのか

誰もが引用する研究は、禁止を導入したイギリスの中等学校を調べ、テストの点数が標準偏差の約6パーセント分上がったと報告しました。週に1コマ授業を足すのに近い効果です。小さく聞こえますが、分布を見ると話が変わります。成績下位層の伸びは平均のおよそ2倍で、成績上位層では統計的にゼロと区別がつきませんでした。

持ち帰るべき結論はこれです。スマホ禁止は全員のための性能向上ではなく、最も損をしていた子の下に敷く床です。 あなたの子が几帳面で、やる気があって、宿題をすでにやっているなら、禁止で通知表は変わらないでしょう。もともとその子に向けた施策ではありません。

ノルウェーの中学校を対象にした研究は、隣接するもっと興味深い結果を出しています。禁止の後、女子生徒ではメンタルヘルスの指標が測定可能なレベルで改善し、心理的な症状での受診が減り、いじめの報告が減り、成績が上がり、進学コースに進む確率も上がりました。効果が最も大きかったのは、所得の低い家庭の女子でした。この形は文献のあちこちで繰り返されます。学校の外で支えが少ない子ほど、学校の中の構造から多くを得るのです。

ここで正直な反対材料も置いておきます。2025年の研究はイギリスの厳しい学校と緩い学校を比べ、幸福感、睡眠、学力に意味のある差を見つけられませんでした。同じ研究は、一日の総使用時間が悪い結果を予測することも見つけています。この二つは矛盾しません。厳しい学校は生徒の総使用時間をほとんど減らせていませんでした。学校にいる時間は、もともとその大半が起きている場所ではなかったからです。

カバンの中の電源オフのスマホが、それでも何かを奪うのはなぜか

「使っていない」ことと「影響を受けていない」ことは、別の状態だからです。

よく知られた実験では、参加者はワーキングメモリと推論の課題を、スマホを机に伏せて置いた状態、カバンに入れた状態、別の部屋に置いた状態でそれぞれ解きました。成績が最も良かったのは別の部屋、最も悪かったのは机の上、その中間がカバンでした。電源を切っても改善しません。そして「スマホの影響があったか」と聞かれた参加者は、全員がなかったと答えました。

この最後の部分がすべてです。マナーモードのスマホをカバンに入れてテストを受けている生徒は、注意の一部を「見ない」ことに支払っていて、しかもそれを自覚できません。これは禁止の厳しいほうの版を支える最も強い根拠であり、規律の話ではなく物理の話です。端末が部屋の中にあるなら、部屋の注意の一部は端末の上にあります。

ロック式ポーチは効くのか、それともただの演出か

ルール実際に取り除くもの漏れるところ
授業中は電源オフでしまう授業中の目に見える使用スマホは教室に残り、休み時間がスクロールの時間になる
一日中禁止、ただしカバンの中授業中の使用と社交的な使用のほぼ全部トイレ、廊下、自己申告頼み
玄関でロッカーかロック式ポーチ端末そのもの費用、二台目、保護者の緊急時不安

禁止が最初の学期を生き延びるかを決めるのは、規則の文言ではありません。誰が守らせる役を負うかです。 教師がスマホに気づき、出すよう求め、断られる場面を前提とするルールは、一日に三十回の小さな衝突を生み、学期の半ばには自然に朽ちます。ポーチやロッカーは、その執行を校門での一回に移し、毎朝同じ手順で繰り返し、教師を取り締まり役から完全に降ろします。ポーチが勝ち続けている地味な理由はここにあります。封をすること自体に魔法があるからではなく、一日百回の判断を一回に変換するからです。

“禁止の前も後も教えてきました。前の問題は、授業中にみんながメッセージを打っていたことではありません。正直、そんな生徒はほとんどいませんでした。問題は平坦さです。クラスの前で誰も質問に答えない。クラスがここにいなかったからです。ポーチ運用に切り替えて六週間後、廊下がまたうるさくなりました。これは、ひとつのルールに対して私が贈れる最大の賛辞のつもりで言っています。” — 佐藤 誠、中学校教員、44歳

学校の禁止では絶対に解けないものは何か

算数です。十代の子はSNS系のアプリに一日4時間から5時間いて、完璧に運用された学校の一日でも取り除けるのはせいぜい1時間半。残りは全部、台所と自分の部屋と、宿題のはずだった二時間の中で起きています。

小さな揺り戻しにも注意が要ります。スマホのない一日を終えた生徒の一部は、校門を出た瞬間に放電されるような圧力を抱えていて、だから禁止の後は15時半がむしろ悪化して見えることがあります。一日ぶんたまったグループトークもその重さの一部で、グループチャットに追われる感覚がその滞留がなぜ重いのかを説明しています。これは禁止に反対する材料ではありません。境界線がどこかで続いていないといけない、という材料です。

家庭で戦争を起こさずに学校のルールを支えるには

学校の決定を家で再審議しない。 これは親に配られる珍しい贈り物です。ルールを作ったのはあなたではなく、変える権限もなく、交渉の余地もありません。共感はいくらでもしていい。そして何も執行しなくていい。執行するものが存在しないからです。

新しい時間を発明せず、学校の時間を鏡写しにする。 自分で作ったルールにはあなたの名前がつき、すべての言い争いの相手はあなたになります。学校から写したルールには世界の名前がついています。学校が8時半から15時半までスマホなしで回っているなら、宿題の時間も同じ論理と同じ言い方でスマホなしにします。

十代の最強の反論が溶けかけていることに気づく。 十五年間、「みんな持ってる」は事実であり反論不能でした。全員のスマホがポーチの中にある学校では、それは単に事実ではありません。社会の初期設定が親の側に動いたのは、これが初めてです。子どもがスマホを手放さないときは、それでも言い争いが起きたときの話です。

曖昧な時間を守るのではなく、はっきりした枠を返す。 宿題の後に名前のついた、気前が良く、予測できる枠を返すほうが、勘で中断する開けっ放しの夜より、けんかがはるかに減ります。二つの数字は落ち着いているときに選ぶのがよく、一日の合計と1回あたりの上限のどちらを設定するかが、どちらが重い仕事をしているのかを説明しています。宿題が勉強ではなく勉強系の動画になっているなら、生産的な先延ばしがまさにその脇道を描いています。

スマホを寝室の外に出す。 「ただそこにある」ことの研究からひとつだけ持ち帰るなら、これにしてください。境界を子どもだけでなく家族全員に適用したいなら、週に一日スマホを持たない日が、大人も守らなければならない版です。

Unscrolはどう役に立つのか

正直な出発点として、この大半は無料で、すでに端末の中にあります。 Appleのスクリーンタイムには、時間帯を決める休止時間、アプリやカテゴリごとのApp使用時間の制限、コンテンツとプライバシーの制限、そしてファミリー共有による本格的なペアレンタルコントロールがあり、子どものスケジュールを自分のiPhoneから設定できます。学校と宿題の時間を覆う休止時間で足りているなら、それで終わりで、何も買うべきではありません。標準機能が力尽きるのは端のほうです。App使用時間の制限にはワンタップの逃げ道がついていて、1回あたりの上限は存在せず、パスコードを覚えた十代はすべてを覚えたのと同じです。

学校の時間帯にスマホなしの枠を設定したUnscrolのスケジュールブロック画面

Unscrolは、境界に本当に持ちこたえてほしい人のためのiPhone・Apple Watchアプリです。家庭では通常、自分から参加する年長の十代と、保護者自身の端末が対象になります。1日の合計(初期設定45分)と1回あたりの上限(初期設定5分)を決め、装飾的なオーバーレイではなくAppleのスクリーンタイムとFamilyControlsのフレームワークで実際に止めます。1回分の枠を使い切ると選んだAppは15分ロックされ、1日の予算を使い切ると翌日までロックされます。学校を鏡写しにするのがシールド、つまり時間帯によるスケジュールブロックです。授業の時間帯と宿題の枠に重ねてください。途中でオフにするのはわざと遅く、ワンタップの解除ではなく、呼吸のエクササイズと待ち時間があります。予算内に収まった日は連続記録として数えられ、ホーム画面とロック画面のウィジェットが、何も開かずに残りを見せます。

はっきり言っておく注意点が二つ。使用時間の数字は推定値です。iOSは正確な分ではなく、一定の区間で超えたしきい値として報告するので、予算はおおよそ正しいものとして扱ってください。そしてiOSがアプリに渡すのはアプリの正体ではなく不透明なトークンです。Unscrolはどのアプリが選ばれたかも、その名前もアイコンも見られません。選択画面を描いているのはシステムで、アプリはその外枠を描いているだけです。ブロック対象のリストと利用データは端末内に留まります。ダウンロードは無料。任意のプレミアムでは、抜けた1日を救うストリークセーバーと、同時に進められるチャレンジ枠が1つではなく5つになります。

よくある質問

学校でスマホを禁止すると、本当に成績は上がりますか

上がりますが、幅は小さく、しかも偏っています。最もよく引用されるイギリスの中等学校の研究では、禁止の導入後にテストの点数が標準偏差のおよそ6パーセント分上がりました。ざっくり言えば、週にもう1コマ授業を足したのと同じくらいの効果です。重要なのは中身の偏りで、この上昇のほとんどは成績下位層に集中し、成績上位層ではゼロと統計的に区別がつきませんでした。つまり禁止は全員の成績を底上げする施策ではなく、注意散漫で最も損をしていた子の下に敷かれる床だと考えるのが正確です。

電源を切ってカバンに入れておけば十分ではないですか

何もしないよりは良く、多くの学校が思っているよりは不十分です。スマホが「ただそこにある」ことの影響を調べた有名な研究では、机の上に伏せて置いた場合、別の部屋に置いた場合よりワーキングメモリと推論の課題の成績が下がり、カバンの中はその中間でした。電源を切っても差は埋まりませんでした。しかも参加者自身は「スマホの影響はまったくない」と答えており、そこがまさに問題です。玄関でロッカーやロック式ポーチに預ける方式の禁止が、カバンの中で静かにしていることに頼る禁止よりはっきりした結果を出すのは、この理由によります。

災害や緊急時はどうするのですか。子どもと連絡が取れないのは不安です

スマホを校門で預かる方式にした学校はどこもこの質問に答える必要がありました。標準的な答えは、学校の事務室は一日中電話でつながっている、というものです。生徒が端末を持ち歩くようになる前の数十年間と同じ体制です。日本では災害時の連絡手段という理由が特に重く扱われてきましたが、実際の緊急時には数百人の生徒が一斉にスマホを操作することで避難や情報伝達がかえって難しくなる、という指摘も消防や学校安全の関係者から出ています。不安は当然のものですが、子どもへの直通回線があることと、安全計画があることは別の話です。

学校が禁止すれば、うちの子のスクリーンタイムは解決しますか

しません。算数を正直に見たほうがいいところです。十代の子はSNS系のアプリにだいたい一日4時間から5時間を使っていますが、学校の一日が取り除けるのはせいぜい1時間から1時間半です。2025年のイギリスの研究では、厳しい規則の学校の生徒と緩い学校の生徒とで一日の総使用時間はわずかしか違わず、幸福感、睡眠、学力のいずれにも測定できる差は出ませんでした。禁止が動かすのは学校にいる時間帯だけです。残りの時間の設計は、いまもあなたの側にあります。